第10章 VIPの中のVIP

「……有村菜津美って、天龍グループのあの社長と一体どういう関係なんだ? 来るたびに最上級のVIP扱いだし、普通じゃありえないだろ」

「ただの取引先って感じじゃないよな。有村が困ったって言えば、天龍グループが即座に動くって話だし」

ロビーのあちこちで囁き声が広がり、羨望の視線が集まっていく。

有村菜津美はその噂を耳にすると、口元をわずかに緩めた。隠しきれない優越感。

背後に控える秘書も、同じように得意げな顔をしている。

「今回、社長が5億の案件を押さえたら、江北財界での見られ方も変わりますよ」

「社長は天龍グループのVIPの中でも別格です。ここにいる連中なんて、見上げる資格すらあり...

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